悪即斬ならぬ良即買
引き続き、隣の芝は青い
Realforceには106をはじめとして109, 101, 91, 89キーという品揃えがあります。このうち、テンキーレス・WinキーとAppキーなしの89キー(NF0100, ND0100, NF01B0)用のメタルカスタムキット(MCK89B)が、ダイヤテック社から2007年7月12日に発表・7月20日発売されました。
そう、89。91でなくて89。東プレ以外の人気キーボードは数あれど、精密射撃のように91を外して89に中ててくるあたり、狙撃手を恨めしく思わずして何となりましょう。製品の主張(コンセプト)に新鮮さを覚えながらも、Realforce91用でないことにいたく打ちひしがれた感がありました。89と91との違いはWinキーとAppキーの有無だけであるので、2ちゃんねるの「テンキーレス キーボード 3枚目」スレッドでも書かれたように、カスタムキット側の凸部を切断するか、キートップとスライダを引き抜いて89化するかと考えたのですが、そうした工作に血気に逸るほどもう若くもなくなってしまったので、そのまま意識から遠ざかっていってしまいました。
我が芝も青くなりにけり
そんな或る日。私は既にW-ZERO3用の折り畳みキーボードとしてStowaway Bluetooth Keyboardを持ってはいるのですが、ふと思い立ってダイヤテック社(FILCOブランド)のFolding Keyboard Papillon「パピヨン」(FKB66PU)の仕様を確認しようと同社サイトを開いたところ、91用が登場していることに遅まきながら気付きました。89用のキットは私の巡回&RSS取得先のメディアにプレスリリースを受けた情報が載ったのですが、91用は載っていなかったので捕捉が遅れたようです。後から調べると、載っているサイトがありましたので、アンテナをより高く張る必要があるなと思い知った次第です。
これは想像なのですが、89用の予約状況(キットはダイヤテックのオンラインショップ限定販売です……と、ダイヤテックのウェブサイトの記述を参考にして書いていたら、9月に入って、物の見事にキーボード通販の雄であるshopUでも販売していることに気付きました)もさることながら、「91用は開発・販売しないのか」という照会や要望がダイヤッテック社に行ったのではないでしょうか。
ともあれ、全国のRealforce91ユーザの願いが通じたのか、2007年7月27日 発表・8月1日発売として、91キー(NG01B0, NG0100, NE0100, NG01J0, NG11J0)用のメタルカスタムキット(MCK91B)が手に入る状況となりました。
さて、ここで「買わずに後悔するなら買って後悔しろ」という先人の格言通り、あまり思うところ無くさっくりと購入しました。何せオンラインショップ限定販売というくらいですし、生産数自体が僅少ではないかと想像出来ます。Realforce91は人気キーボードとはいえ、猫も杓子も使っている訳ではありません。私は軟質プラスティック製キーボードカバーの類は使いませんが、本キーボードの専用カバーすら成立していない市場です。そこへ、キーボードカバーよりも需要が少ないと思われるカスタムキットとくれば、ダイヤテック社の大英断に諸手を挙げて賛成すると同時に、挙げたその手で「はい、ください」と声を挙げるのも、買えなくなる悲哀を思えば無理からぬ話です。悪・即・斬ではなく、良・即・買といったところでしょうか。
もっとも「買って後悔」とは失礼な言い分で、それなりの訴求力を醸し出しているので購入に至りました。その訴求力について、このレビューを通じて一つずつ確かめていくことにします。
巨大な箱
夜中の1時頃に購入手続きを行い、同日16時に千代田区からの発送の連絡があり、翌日朝9時過ぎには到着しました。キットの概要に入る前に、この配送用の箱の概要を是非紹介しておきたいです。
Realforce91の本体ですら、プラスティックの袋と、緩衝用に織り込んだ段ボール箱に単に入っていただけですが、キーボードケースの入る箱は、写真の通り、幅約520×高さ約250×奥行き約290mmという巨艦でした。比較用にRealforce91の換装前の部品を並べています。
巨大な箱について、緩衝材としては申し分がないですし、(日通なのであまり心配していませんでしたが)配送時の心配事等を考えれば、通販で精密機器を求める者にとっては悪くない選択肢ではあります。宅配便(日本通運のペリカン便)の最小サイズなので、敢えてこれより小さく納める必要もありません(逆に仕事が増えることもあります)が、ともあれ少々驚かされました。
そうして、外箱を開き、緩衝材に埋もれた内箱を掘り当て、ひとしきりの宝島気分を味わったところ(誇張有り)で、いよいよ開梱です。
据え付け方法
「ごとり」という擬音が似合う、鉄の塊。箱の中に潜んでいたものは、機器というよりも機材といった感があり、キットなんだから当然だろうという思いもありましたが、存在感がある代物でした。外箱・内箱を開けるまでは、箱の大きさもあり、比重がいやに軽く感じられたものですが、実際に現物を見ながら手に取ると、しっかりとした重さがあります。
キットの寸法は幅387×奥行240×高さ32mmであり、質量は実に1.1kgに及びます。キーボードの形をしていて、キートップはおろか当該部がすっかり抜け落ちている状態は、場合によっては茶目っ気が感じられるのですが、そうした中空の状態と重さとの違和感が、存在感に拍車を掛けているようでした。
それでは、据え付け作業に入りましょう。Realforce91のMCK91Bの商品紹介ページでも案内されていますが、据え付け自体は極めて簡単です。
- 念のため、Realforceの脚を拭いておきましょう。フローリングの自宅ではそうではありませんでしたが、絨毯パネルの職場では、埃を脚が噛んでしまっていました。
- Realforceの上部カバーを外します。なお、Realforceのカバーを開くために4つの爪を開くだけで良かったとは知りませんでした。成形がしっかりしている所以なのでしょう。
- キットの天板を外します。6カ所のビス(ネジ)は六角レンチで難なく外せます。
- Realforceのケーブルを、キットの向こう正面の穴に通します。一旦USBプラグをPC本体等から抜く必要があります。また、ケーブルをキーボード本体の中心線のガイド溝に埋めることが肝要です。もし溝に埋めていないと、固定時にキーボードが浮いてしまいます。
- Realforce本体をケース本体に入れます。数mmの余裕があるので、力を込めずに入れられます。また、ケース内側のキーボードとの接地面には、4カ所の保護シートが貼られており、ずれないように工夫されています。
- 天板をネジで固定して終了です。キーボード本体と天板とは接触しないため、外したときと同様に作業出来ます。
据え付けが終わったところで、そのフットプリント故の存在感の大きさを改めて感じ入りましたので、次のページにて考えて参ります。