据え付け後の重さと、すこぶる快適な打鍵感
人は2.2kgのキーボードを冗談と捉える
据え付け時には机の広い場所で作業をしましたが、キーボード使用時には私は机の奥に設置しているので、早速元の場所へキーボードを戻そうとしました。そして、重さに改めて気付かされました。
Realforce91の質量は1.2kgです。キットの1.1kgと単純に合計して、2.3kgに及びます。装着時に外すRealforceの天板は120g程度なので、約2.2kgになります。こうして、あまり聞いたことのない重さのキーボードが出来上がった訳です。スチール製の本体部とアルミ製の天板は肉厚で、板厚は2mmに及びますので、この質量にも納得出来ます。何かの悪い冗談だろうとも笑われましたが、物理法則は嘘をつかないのですから致し方ありません。
安定感は確かに増している
では、その重量は打鍵感にどの程度寄与するのでしょうか。散々持ち上げておいて、こればかりは定量的な値を持ち出せないので申し訳ないのですが、打鍵時の細かな振動が減ったというのが一番の変更点でしょうか。そもそもキースイッチは全く変更がないので、打鍵感が「しっとり」に急に変わることはありません。
打鍵方法としては下品なので、あまり底打ちするものでもないのですが、しかし底打ち時の振動は確かに減っています。底打ちしなくともバネを介して微細な振動が本体に伝わりますが、これも減っているようです。一番顕著な例は、押下後のキーが跳ね上がるタイミングです。流石に微細な振動を気にし出すと神経質になってしまいますが、こうした些細なことから心が解放されるというのは、なかなかに贅沢な体験といえましょう。興味と機会がありましたら、キット有無のそれぞれの打鍵感を比べてみるのも良いでしょう。間を開けると宜しくないので、Realforceを2台持っていることが推奨されますが。
安定感を示す一つの例として、私の失敗談をご紹介します。据え付け方法の文脈でケーブルを溝に埋める旨を偉そうに前述しましたが、私はうっかりして埋めておらずに一日使ってしまいました。しかし、天板を固定する際のビスの締め難さで若干の違和感があったものの、据え付けやその後の使用に特段の問題もなく、がたつき等も全くなく使えてしまいました。おかげで据え付け誤りに気が付かず、職場用の据え付けを行った際に、はたと「自宅用でケーブルを出していなかったんじゃないか」と気がついた次第ですが。
また、自重故、「何かの拍子にキーボードに手が触れて、設置位置がずれる」ようなことも無くなりました。
パームレストの打鍵感への影響
今までパームレストを使っていませんでしたので、打鍵時には最初は違和感がありました。しかし、いざパームレスト抜きで打鍵してみると、これもまた今となっては違和感があるので、慣れの問題といえましょうか。
私の場合は、コードやらメールやらの文面が頭に浮かんでいる場合には、打鍵を思考に追いつかせるべく本気で打鍵するため、掌は浮かせています。考えながら打鍵をしている場合でもそうなのですが、まったりと落ち着いて考えながら打鍵をする場合には、リラックスするためか、掌を着けて打鍵するという悪い癖があります。
そうした場合には、パームレストがない状態であると、指と掌との段差がかなり存在します。この傾斜を埋めるためか、両手首が若干外側に向くきらいがあったようです。これが解消したため、リラックスした場合でもあまり疲れずに打鍵出来るようになったようです。
本キットの提供するパームレストは、正直な位置に配置されています。このため、今までパームレストを使っていた方も、多かれ少なかれ違和感を感じられることでしょうが、私ほど違和感なく移行できるのではないかと思います。もっとも、メタボリック症候群になっていそうなふくよかなお腹の感触を実現したかのようなジェル式のパームレストとは、それなりの違和感があろうかとは思いますが。
パームレスト自体の優れた点もご紹介しましょう。デザインについて「黒竹である」と称した通りの粗めのヘアライン加工で接地面積が狭くなっているために、掌のべたつきもあまり気にならなくなりそうです。
職場の事務机も然り、自室の机も然り、掌を置く表面が滑らかだと、掌がべったりと張り付いてしまい、あまり感触が宜しくありません。仮に本キットが無垢材であったとしたら、やはり同様の感を持ったことでしょう。……というのはあくまで一般論であって、私の場合には前述の通りパームレスト部にまでハンカチで覆っているので、私自身はあまりヘアライン加工の触覚的ありがたみが無かったりするのがつくづく残念でなりません。
このように様々な観点から本キットを眺めて参りましたが、次の最後のページでは、本キットを総括しつつ、お勧め度合いをご案内して参ります。